雑誌『STUDIO VOICE』(スタジオボイス)は、1976年9月に創刊された日本の月刊カルチャー誌。(発行元はINFASパブリケーションズ)
平成3年(1991年)に発刊された「特集 ART & WAR」がぜひ今読みたい、唯一無二の内容だと思うのでご紹介します。
発刊された年の前年、1990年8月2日のイラクによるクウェート侵攻をきっかけに、国際連合が多国籍軍の派遣を決定し、1991年1月17日にイラクを空爆して湾岸戦争が始まりました。そして初めて、テレビで戦争が生中継されたのがこの湾岸戦争です。そして、世界初の衛星戦争となったのもこの戦争でした。
メディアの存在と態度、それが戦争下で人々に与える影響と、テクノロジーがもたらした戦争の世界線から始まり、(湾岸戦争によってくしくももたらされた)戦争と芸術の関係について論じられています。
本の中では、1900年代後半のキーファーやリヒターが試みたアプローチや戦争をテーマにしたビデオアートなども紹介されています。桝山寛さんや南伸坊さん、原田宗典さん、細野晴臣さんらのコラムや谷崎テトラさんのコメント、いとうせいこうさんが紹介する村上龍さんの『コックサッカーブルース』なども。テーマがテーマだけに重たい空気ですが、胸熱ポイントが多いのです。
見かけた際はぜひ手に取ってみてください。
ART & WAR 侵攻するコンテンポラリー・アート 内容
・主体なき・国家なき戦争|室井 尚
・戦争を新たな方法で表現する戦略 文=上野俊哉
・「現実」の中の芸術 文=椹木野衣
INGO GÜNTHER/CHRIS BURDEN/APRIL GORNIC
ANA BARRADO/JOAN NELSON
・戦争機械のヒューマニティ 文=四方幸子
TODT/S.R.L./NORIMIZU AMEYA
・ポスト・ナチズム 文=長谷川祐子
ANSELM KIEFER/GERHARD RICHTER/SIGMAR POLKE
HANS HAACKE/IAN HAMILTON FINLAY
・告発するビデオ・アート 文=玉木啓子
WOODY VASULKA/KLAUS VOM BRUCH
・ゲームと戦争の前線 文=桝山 寛
・ノイズ・ウォー文=秋田昌美
CRANIOCLAST/ASMUS TIETCHENS/NEW BLOCKADERS
・戦争とメディア上の作品
CINEMA/BOOK/MUSIC/PHOTO
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